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【ディレクターインタビュー】どんな状況でも”笑いのある現場”になるように。#Dカラ_010

こんにちは、株式会社D・A・G公式note『D.COLORS』編集部です。
D・A・Gをカタチづくる人を紹介するコーナー『D.PEOPLE』。今回登場するのは、東京本社でディレクター・チームリーダーを務める笹岡 晃子。制作やディレクション業務のこだわり、チームづくりで大切にしていることについて聞きました。

笹岡 晃子 | Akiko Sasaoka
株式会社D・A・G 3DCG Director
大阪府出身。アニメ制作会社、フリーランス等を経て株式会社D・A・G入社。2018年からディレクターとしてプロジェクトをリードする。特にプリレンダリングなどの映像制作の最終工程に強みを持ち、近年は有名IPゲームシリーズのオープニングムービー制作などのディレクションを継続して担当。ゆっくりと話す大阪弁でまわりを笑顔にするムードメーカー。

ー今日はありがとうございます!まず、笹岡さんの現在の業務とご経歴について教えてください!

笹岡:現在はコンシューマーゲームのカットシーン制作のディレクションを担当しています。メンバーが制作した成果物のクオリティをチェックしたり、クライアントと直接打ち合わせを行ったりしながら、プロジェクトの方向性やスケジュールなどを調整しています。

この業界でのキャリアはアニメ制作会社からスタートしました。大阪の芸大に入学後、絵画や映画・カメラなど、幅広くインプットしていたんですが、あるときCGに出会って「いいやんこれ!作ってみたい!」と思って、1年間専門学校のCGコースに通い、上京してアニメ制作会社に入社しました。そこでアニメCGにがむしゃらに取り組んでいたんですが、当時の恩師がD・A・Gに入社することになり、その方から声を掛けてもらって一緒に入社しました。そのころのD・A・Gは秋葉原にオフィスがあって、間接照明いっぱいのムーディな雰囲気で、「CG業界しゃれとる~」ってびっくりしたことを覚えています(笑)。

実は、一度D・A・Gを離れているんですが、離れたあともCG制作で分からないことがあれば、先日Dカラにも出ていた松嶋さんに質問させてもらっていたんです。今では考えにくいことですが、当時の業界は深夜労働なども当たり前で、D・A・Gを離れた後はかなりハードに働いていました。あるとき「このままでいいのかな…」とふと考えることがあって。
D・A・Gは当時からデザイナーの働く環境を重視していましたし、なによりも「尊敬できる先輩方と一緒にものづくりをやりたいな」と改めて思いました。最終的に、私が戻れるように松嶋さんが会社に掛けあってくれて、2013年に再度入社しました。その後はデザイナーとしてアニメCGやテレビ番組の演出などのプロジェクトに携わり、2018年からでディレクターとしてプロジェクトを持たせてもらうようになりました。


「自分で決めて、やってみたい」という欲が出てきた

ーディレクターを目指したきっかけについて教えてください。

笹岡:最初から「ディレクターになるぞ!」と思っていたわけではなかったんです。少しずつ後輩が増えてきて、自然と後輩へのレクチャーやフィードバックといった業務を任されるようになって。今思えば、自然とプロジェクト全体の方向性を考えながら制作を進めていたので、無意識のうちにディレクター目線でCGと向き合っていたのかもしれないですね。


ーディレクターになることを意識するより前から、ディレクターとしての役割を経験されていたんですね。

笹岡:そうですね。そうやってディレクター業務を経験していくなかで「ディレクターになればクライアントと直接話せるんだ。プロジェクトの方向性を決定することに関わることができるんだ」と気づいて、欲がでてきたというか。「自分のアイディアを作品に反映させることができるやん!」と想像するとワクワクして。「ディレクターって面白そうだな。やってみたいな」と思い始めました。


ー以前、社内報でディレクターのみなさんにインタビューした際、一番印象に残っているプロジェクトで『ディレクターになって最初のプロジェクト』を挙げていましたね。

笹岡:やっぱり、ディレクターになって初めてのプロジェクトは特に印象に残っています。今も継続して担当させていただいている人気ゲームシリーズのカットシーン制作なのですが、ディレクターとして、初めて自分の名前がエンドロールに載るプロジェクトだったので、すごく気持ちが入りました。プロジェクトの進め方を巡っての打ち合わせが白熱して、松嶋さんと議論になったりもして(笑)、印象に残っていますね。


「このプロジェクトをやれてよかった」とメンバーに感じてもらいたい

ーディレクターとしてプロジェクトを率いるにあたり、どんなことを意識していますか?

笹岡:意識していることが大きく2つあります。1つ目は、毎回プロジェクトがスタートするとき「このプロジェクトでは○○くんにはここを伸ばしてもらおう」とか「○○さんには今回このプラグインを極めてもらおう」といったように、一人ひとりに合わせた成長のテーマを設定し、その内容に沿って担当範囲を決めたりフィードバックを行ったりしています。ストレッチの効いた目標を設定することもありますし、チーム内のコミュニケーションやナレッジ共有に関するものなど、プロジェクトの管理や進行に関わるものもあります。


ー毎回、メンバーそれぞれのテーマを考えていらっしゃるのですね!

笹岡:そうですね。プロジェクトが終わったとき、メンバーに「このプロジェクトやってよかった!」とか「成長できたな」と感じてもらいたいなと思っていて。D・A・Gでは、多種多様なプロジェクトが同時に進行していますが、本人の意向やキャラクターに合わせて、それぞれの特性を活かせるようなテーマを設定してます。


ーもう一つの「意識していること」を教えてください。

笹岡:
2つ目は、チームの雰囲気です。これまでの経験から、チーム全体が明るいムードだと高いクオリティの作品がつくれることを実感しているので、和気あいあいというか「笑いのある現場」にしたいと思っています。


ー「笑いのある現場」!大阪出身の笹岡さんらしいキーワードですね。

笹岡:ふふ(笑)。やっぱり、やるからには意義のあるプロジェクトにしたいし、メンバーにもそう感じてもらいたいので、分からないことはどんどん質問してほしいし、感じたことや疑問点を共有しやすいチームにしたいなと思っています。進捗の最適化やクオリティアップのために、ときには厳しいことを伝えなくてはいけない場合もありますが、そんな時でも前向きになれるように伝え方を工夫して、チームの雰囲気づくりを意識していますね。


ー「笑いのある現場」にするために、どんなアクションをとっているのでしょうか?

笹岡:やっぱりコミュニケーションですね!制作が一息ついたタイミングで、ゲームや映画が好きなデザイナーに最近のおすすめを教えてもらったり、天気の話をしたり(笑)、雑談はよくしていますね。話しかけてもらいやすいスキを作ることも意識しています。チャットにあえて「もう~なんでやねん~」みたいに、声に出してつっこむとか(笑)。直接デザイナーのデスクに行って話しかけることも多いです。直接話すと、デザイナーのちょっとした表情から体調やメンタル面のコンディションも分かりますしね。


成長にちゃんと気づいて、伝えてあげたい

ー笹岡さんから積極的にコミュニケーションをとっているのですね!

笹岡:そうですね、デザイナーのなかには自分から年上のメンバーに話しかけることを遠慮しがちな人もいると思うので、なるべく私から声をかけたりデスクに行って話しかけるようにしています。うろうろしすぎてみんなの邪魔をしないように気を付けています(笑)。
コミュニケーション面では『褒めること』もすごく大事にしています。例えば「ここをこうやってみて!」とフィードバックしたところが改善できていたら、「できてるやん!すごいやん!」みたいに、成長や変化にちゃんと気づいてそのことを伝えてあげたい。私もクライアントや他のメンバーに褒めてもらえたら嬉しいし、モチベーションも上がるので、メンバーのことはしっかり褒めたいなと思っています。そうやって少しずつ成功体験を積み重ねて自信をつけて、いろんなことにチャレンジして、得意領域を拡げていってもらえたらいいなと。

「カフェラテを淹れて、メンバーと一緒に飲むのが好きなんです」(笹岡)


ープロジェクトを進めていくうえで、悩んだり壁にぶつかることもありますか?

笹岡:もちろんあります。どのプロジェクトでも毎回悩んでいますね(笑)。ひとつとして同じプロジェクトはないですし、決められた条件の下で『どうすればもう一段階クオリティを上げることができるのか』をぎりぎりまで考え抜きます。これは、私ひとりだけでは絶対に成し遂げられないので、チームメンバーの個性や強みを最大化させてクオリティに反映させるために、いつも試行錯誤しています。


ーチームメンバーの強みを活かすことを重視されているのですね。

笹岡:そうですね。私の場合、実際に私が手を動かしてゼロから制作するケースは少なくて、プロジェクトメンバーが頑張ってくれているおかげで画が出来上がっていくので、みんなの強みを最大限活かせるようにアシストしてあげたいと思っていますね。メンバーの個性と、プロジェクトの押さえどころをうまくマッチさせるというか、バランスをとり円滑に進めていくのがディレクターの仕事なのですが、毎回それぞれの悩みや課題はあります。


ー壁にぶつかったときは、どのように乗り越えていらっしゃるのでしょうか?

笹岡:悩んだときは、ディレクター仲間や先輩方に相談にのってもらっています。D・A・Gには幅広い実績をもつクリエイターがたくさん在籍していて、技術面でもプロジェクトマネジメントの面でもいつも的確なアドバイスをくださるのですごくありがたいです。優しくて穏やかな先輩方ばかりで、私のことも根気強く育てていただきました。人間的に尊敬できる人がたくさんいる環境で働けるって幸せなことだなと実感しています。


ー確かに、D・A・Gには優しくて穏やかな方が多いですよね。

笹岡:ほんと、そうですよね!先輩方もそうなんですけど、メンバーも素直な性格の人が多いんですよね。わたしは採用面接の面接官を担当することもあって、D・A・Gの魅力をお伝えするときにもよくお話ししているんですが、感情的になる人がいないんですよ。だから、人間関係でややこしくなったり、しがらみとか変にこじれたりすることがなくて。よいアウトプットを目指してチーム一丸となっている感覚があるので、安心して相談できます。


ー受け持つプロジェクトでも、同じように安心して制作に向き合える環境づくりを重視されているのですね。

笹岡:そうですね、私自身がその雰囲気に支えられていると実感しているので、自分が受け持つプロジェクトでも、デザイナーが年次関係なく気持ちや悩みを気軽に共有できる雰囲気を作っていきたいと思っています。


ー仕事のやりがいを感じるときはどんなときでしょうか?

笹岡:作品が世に放たれたときです!プロジェクトによっては、D・A・Gが手がけたビジュアルやトレーラーが、街中の看板や山手線などで展開されることがあって。みんなで頑張ってつくり上げたものを普段の日常のなかで目にするとやっぱり嬉しいです。写メ撮ってみんなに共有します(笑)。 


ー今後、注力していきたいことはありますか?

笹岡:そうですね…目の前のことに集中するタイプなので、あんまり考えたことはないんですが…私は最終的な画づくりの部分を長くやってきていているので、そこの精度をもっともっと高めていきたいですね。
マネジメント面はまだまだ課題に感じていることもあるので、これからも周りに頼りながら、チームのみんながそれぞれの望む方向に成長していけるように、なによりも楽しく前向きにものづくりと向き合えるようにサポートしていきたいです。


ーこれから、どんな人と一緒に働きたいですか?

笹岡:やっぱり『エンターテインメントが好きな人』ですね!自分の業務に直結するようなCGやゲームのこと以外にもアンテナを張って、例えばカメラを触ってみたり、美術館に行ったり。いろんなことに触れて積極的にインプットしている人は素敵ですよね。好きなものって、コミュニケーションや、自分の世界を拡げて成長していくきっかけにもなりますし、「好き」という気持ちは大事だなと思います。


ー経験値や、スキルの面だとどうでしょうか?

笹岡:スキルや技術の面だと、現在はゲーム関連のプロジェクトがたくさん進行しているので、特にリアルタイムカットシーン制作に挑戦してみたいと思っている方、もしくは経験をお持ちの方だとすぐに実力を発揮していただけるんじゃないかなと思います。リアルタイムカットシーン制作は技術や実機がどんどん進化していて学びが多い領域ですし、私自身も日々勉強中です。みんなでノウハウやアイディアを共有して切磋琢磨しながら進んでいけるといいですね。


ー最後に、CG業界を目指している方、転職を検討されている方にメッセージをお願いします!

笹岡:成長できる環境や学ぶ機会をつくることがディレクターの仕事なので、「もっと上手くなりたい」・「いいものをつくりたい」という貪欲さや向上心をもっている方と一緒にものづくりができたら嬉しいです。ぜひ、お気軽に応募してください!

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最後までご覧いただきありがとうございます。
これからも『D.COLORS』では、わたしたちの想いやカルチャー、技術などについてお伝えしていきたいと思っていますので、ぜひご期待ください。



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