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【実例あり】元CGデザイナーの採用担当者が、ポートフォリオでチェックしているポイントとは? #Dカラ_016

こんにちは、株式会社D・A・G公式note『D.COLORS』編集部です。

2023年も残すところあとわずかですね。この季節、就職活動を控えたデザイナー志望の学生のみなさんは、ポートフォリオの制作に多くの時間をあてていると思います。そんな方々へ向けて、今回は元CGデザイナーの採用担当者に「ポートフォリオでチェックしているポイント」について書いてもらいました!
少しでも就職活動を控えたみなさんのお役に立てればと思いますので、参考にしてみてくださいね!


はじめまして。株式会社D・A・Gで人事を担当している中丸と申します。

僕は2009年にCGデザイナーとして新卒入社し、ジェネラリストとして数多くの作品制作に携わりながら、リードデザイナー、ディレクターを経て2020年に人事へキャリアチェンジしました。現在、人事業務の中でも新卒・中途採用をメインに担当しており、日々たくさんのポートフォリオに目を通しています。
ゲーム・CG業界のデザイナー志望のみなさんが就職活動を進めていくうえでは、ポートフォリオの制作が必須です。これからの年末年始でポートフォリオのブラッシュアップを進める方が多いと思いますので、今回のDカラでは
主に2025年度新卒採用の学生さんを対象にした「CGデザイナーのポートフォリオ制作」に焦点を当ててみたいと思います。

この記事では、本人に了承を得たうえで、2023年4月に入社した新卒メンバーのポートフォリオ(*) をリファレンスとして掲載させてもらいました。(みんな、協力ありがとう!!)個人的な主観も入りますが、僕がどんなポートフォリオにグっとくるのか?についてお伝えします。
D・A・Gへの応募を検討されている方だけでなく、ゲーム・CG業界を目指す方々についてもご参考になりましたら幸いです。

(*) …D・A・Gへの応募の際に、実際に提出したポートフォリオ(一部抜粋)



はじめに

評価を得やすいポートフォリオには下記の特徴があると考えています。

掲載されている作品のクオリティが高い
・制作物、構成にこだわりを感じる
・成長意欲や将来性、ユニークな個性を感じる

では、選考を通過するクオリティラインとは、一体どのくらいのレベルなのか?「こだわりのある構成」とは、具体的にどんなものなのでしょうか?
さっそく実例を見てみましょう!


1.背景デザイナー:Tさんのポートフォリオ

1例目は、入社後、人気ソーシャルゲームタイトルで背景・プロップ制作を担当するTさんのポートフォリオです。

どの作品もクオリティが高く、細かな点までこだわって作られていると第一印象で感じました。「フォトリアルの背景を作りたいんだな、得意なんだな」と、Tさんの意思や強みが伺えました。
1点目は写真模写、2点目はオリジナルデザイン(これは他社さんでのインターンシップで制作した作品でした)など、さまざまなアプローチから制作に取り組んでいる点も評価ポイントでした。

3点目ではブラッシュアップ時のビフォーアフターの変化の比較が掲載されています。作って終わりではなく、きちんと振り返りやブラッシュアップなどの自己研鑽に取り組んでおり、向上心の高さ・成長性を感じました!

ポートフォリオ制作のポイントとして『前半に自信がある作品を載せる』というのは鉄則中の鉄則です。選考官は非常に多くのポートフォリオをチェックするため、前半に自信がない作品が掲載されていると、最後のページまで見てもらえないケースもあり得るからです。(※D・A・Gでは選考官全員が最後まできちんとチェックしています!)
最後までしっかり見てもらうために、表紙やファーストビューで「おっ!」と思わせられるかどうかは重要なポイントだと思います!



2.背景デザイナー:Yさんのポートフォリオ

2例目は、人気IPコンシューマータイトルで背景を担当しているYさんのポートフォリオです。

Yさんのポートフォリオは、パッと見から情報がきちんと整理されていることにポジティブな印象を持ちました。「見る人のことを考えて丁寧に作られたポートフォリオだな」と冒頭から期待感が高まりました。
制作期間やワークフローなども図表で記載されており、制作背景が伝わりやすい点もよいですね。

収集したリファレンスや、ローポリ段階のモデルも掲載されており、制作プロセスが分かりやすい点もよかったです。制作の過程がビジュアルで見えると「実際の業務でも○○にこだわって制作してくれそうだ」と具体的にイメージしやすく、評価につながりやすいです。
また、広範囲の背景作品だけでなく、プロップに焦点を当てた狭範囲の作品までバランスよく組み込まれていて、制作力の幅と可能性を感じました!

ここで別の角度からポートフォリオ制作のポイントをお伝えしたいと思います。
提出されたポートフォリオの中には、自分のこだわりを伝えようとするあまり、テキストが長文になりすぎているものがあります。その熱意は素晴らしいのですが、「大変だった・難しかった」といった「お気持ち」がメインになっている可能性があります。「どんな点にこだわったのか・工夫したのか」について端的に記載してあるといいですね!
新卒採用の書類選考では、制作した作品の見どころについてみなさんがプレゼンテーションを行うことはできません。出来る限りシンプルに、相手に自分のこだわりが伝わりやすい構成を目指すとよいと思います!



3.キャラモデラー:Nさんのポートフォリオ

3例目は、開発中のゲームプロジェクトでキャラモデル制作を担当するNさんのポートフォリオです。

学校名・名前を一部加工しています

オリジナルキャラクターの作品数が充実していることに加えて、カラーラフと3Dモデルを見比べることができるレイアウトです。それぞれのキャラクターごとに表情やポーズを描き分けており、キャラクターモデリングへの愛をビジバシ感じました。
(正直、僕はこの表紙を見ただけで「どんな方なんだろう?会ってみたい」と心を掴まれていました)

制作したモデルだけでなく、キャラクターの世界観が伝わる「1枚絵」としての制作に挑戦している点も高ポイントでした。絵のコンセプト、背景や画角、レイアウト構図、色味など、さまざまな要素を複合的に考えて、「どんな世界に生きているキャラクターなのか」という世界観や人物像が考え抜かれています。
この絵から「将来的にはキャラクターのコンセプトデザインをやってみたい」という意欲、キャラクター制作への熱量の高さを感じました!

Nさんのポートフォリオは、制作期間が「○○時間」と時間単位で書いてある点もよいなと感じました。

A:2023年4月~6月
B:2023年4月~6月(約30日、120時間)


上記のA・Bでは、制作スピードの見え方が変わってきます。
Aだと3か月丸々かけて制作している→手が遅い、と判断される可能性もあるので、なるべく詳しく表記することをおすすめします!



4.エフェクトデザイナー:Kさんのデモリール

4例目は、ソーシャルゲームでエフェクトを担当しているKさんのポートフォリオです。

エフェクトデザイナーやアニメ-ター(モーションデザイナー)を志望する場合は、動画でのデモリール制作が必須です。Kさんのポートフォリオは作品数が充実していること、エフェクトの種類のバランスが良いことから、幅広いスキルや対応力の高さを感じました。
制作中の画面を組み込むなど、「どんなソフトで」、「どんな工程で」、「どんな点を工夫して」制作したのかプロセスがよく分かる構成です。作業の効率化に取り組むなど生産性向上を意識している点もポジティブな印象でした。また、チーム制作における自分のポジション・担当作業についても言及があり、視野の広さや柔軟性を感じました!

チーム制作の作品を載せる場合、自分の担当領域や担当作業などはぜひ表記しましょう! 「どこまでの作業範囲を」、「どれぐらいの期間で」、「どれくらいのクオリティで制作できる人材なのか」というスキルセットとコミュニケーション力を伝えることができ、よいアピールになると思います。
ゲーム・CG業界は、仕事の多くがチーム制作・開発です。チームのなかでの立ち位置や、どんなスタンスや役割でものづくりに臨んでくれるのかイメージできると高評価につながると思います。



5.アニメーター:Cさんのデモリール

最後は、人気IPソーシャルゲームでアニメーションを担当するCさんのデモリールです。


基礎が押さえられていること、キャラクター性をしっかりと意識しながらモーション制作が出来ていることを感じました。素手だけでなく銃や斧タイプの武器を使った攻撃など、攻撃モーションのバリエーションが豊富な点から「たくさんのゲームをプレイしているんだろうな、モーションによく注目しているんだな」とセンスや着眼点のよさが伺えました。
「歩く・走る・起き上がる」といった基本の動きについても、キャラクターの人格・タイプにあわせた動きが表現できています。最後に動物のモーションもあり、人型キャラクター以外のモーションも制作できるとアピールできている点は見せ方に工夫を感じました!

アニメーターのデモリールでありがちな構成に「歩き・走り・待機などの基本モーションのみ」の構成や、応用的な「大きなモーション・派手なカメラワークのみ」の構成があります。D・A・Gは幅広いジャンルやテイストの作品に携わっているので、基礎・応用のどちらも組み込まれていると評価を得やすいです。(※これは会社によって異なるポイントなので、応募する会社の実績から傾向を考えて、デモリールに組み込むべきモーションを判断しましょう!)

ここでワンポイントアドバイスです!
ポートフォリオ上にQRコードを掲載し「このQRコードから動画をご覧ください」と記載されていることがあります。QRコードを掲載するときは、URLリンクも必ずセットで記載しましょう!(URLはリンカブル設定してあるとよりGOODです!)
選考官は基本的にPCでポートフォリオを閲覧するので、QRコードのみ・URLリンクも設定されていない状態だと、「スマホを取り出してQRコードを読み取る」という手間と時間が余分にかかってしまい、動画の閲覧を後回しにされる可能性が高くなってしまうからです。最悪の場合、せっかく制作した動画を見てもらえないケースも…!なので、ワンクリックですぐに動画を閲覧できるように設定することをおすすめします!
見る側のことを考えたちょっとした心遣いがあると、「相手のことを考えて制作できる人なんだな」とプラスの印象を与えることができると思います。



終わりに

上記でご紹介したリファレンスは一例ですが、まとめると「会ってみたいな」、「一緒に働いたら面白そうだな」といった未来をイメージできるポートフォリオやデモリールだと、書類選考の通過率はグっと上がるのではないかと思います。

個人的にはポートフォリオの自己紹介ページもいつも楽しく拝見しています。好きな作品について「なぜ惹かれるのか?」を自分なりに深堀りできているなど、オリジナルの考察や視点が選考通過のきっかけになることもあります。選考官同士でも「○○が好きなあの人ってさ…」と話題に上がりやすくなりますし、会ってみたい欲が高まります!

クリエイターとして「制作物だけで勝負したい」という気持ちはとてもよく分かります(僕もそうでした!)。ユーザー視点と自分の表現したいことのバランスが難しいと思いますが、プロのクリエイターを志すならば、制作の背景・プロセスを相手に分かりやすく伝えることをぜひ意識してみてください。ポートフォリオ全体を「自分の作品」と考え、細部まで熱量やこだわりを込めてほしいなと思います。

以上、僕がデザイナー・アニメ-ターのポートフォリオをチェックする際に見ているポイントについてお伝えしました。
クリエイターを目指すみなさんの参考になれば嬉しいです!


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